◆ 2007年8月12日(日)〜8月15日(水)
   
家族4人で 初めての北アルプス燕岳登山 3泊4日

1日目8月12日(日曜)プロローグ・中房温泉

<プロローグ>


<北海道フェリーチケット争奪戦で初敗北>


 これまで2004年、2005年、2006年と、3年連続で家族4人でバイクで夏の北海道に出かけている。今年は長男の嶺くんが大きくなってきたのでどうしようかと思い、まず5月頃に4年生になった嶺くんをKLXの前に座らせて近所を走ってみると、うむ、嶺くんも大きくなったがまだ今年も何とか行けそうだ、ってなわけで、6月に売り出しのお盆時期の大洗⇔苫小牧間のフェリー予約に参戦することとした。


6月上旬のお盆時期フェリー売り出し日。乗船日の2ヶ月前が売り出し日なのだ。まずは行きの予約。バイク2台は取れず人のみ4人ゲット。そして1週間後に帰りの予約。はじめは人が4席とバイク2台も取れてうっしっしと思ってたらなんと、帰りの予約なのに大洗→苫小牧の逆方向の予約をしてたことに気づくが時すでに遅しで結局帰りは何も取れてない丸腰状態で、この時点で「お前はもうほとんど死んでいる」状態の圧倒的不利なスタートであった。キャンセル待ちをするが一向にだめ。なんか2004年に知床が世界遺産になってからお盆時期の北海道フェリー予約はより熾烈になったような気がする。7月末や8月になったら空きが出ると思ったがほとんど空きが出ないのであった。


8月に入っても全く取れないので第2案を検討する。 親子ツーリングで北海道以外の場所は気が進まない。まず自宅を出発点としてどこかへツーリングに行くのはNGだ。自宅を出発してからバイクに乗って気持ちよく走れる場所まで行くのに時間がかかる。BMのようなタンデムで快適なマシンならともかく250ccオフ車では完全にNGだ。フェリーや飛行機で遠くに着いて、走り出すそばから快適なツーリング、やはりこうでないと。 2003年にはフェリーで四国に行ったが夏は暑いからNG、石垣島もいいが暑いしマイルがたまってないからお金がかかりすぎてNGだ。よって親子でツーリングはなし。そこで以前から、嶺くん崚くんが大きくなってタンデムがきつくなったらやるつもりでいた家族で山登りをすることに決めた。


そして押さえていたフェリー予約を解除。行き8/11発4人分と車1台、帰り8/17発で子供2人を押さえていたが手放した。こうして北海道フェリー初敗北が決定した。 250ccで子供とタンデムして、苫小牧を起点に6日間や7日間では行ける所が限られる。BMのようなタンデムでも快適な高速ツアラーだったら苫小牧に着いてから一気に距離をかせいで道東や道北にも行けるが、小さなオフ車ではきつい。子供と一緒だと1時間おきの休憩が必要だ。昔みたいに釧路着のフェリーがあれば話しは別だが、苫小牧起点で6日間や7日間では行ける所が限られるし、過去3年間で苫小牧起点で色んなところへ行ったしまあいいかと負け惜しみ半分、本音半分であった。


オイラは子供の頃、毎年夏休みに両親と、岐阜県のおじいちゃんおばあちゃんの家に泊まりに行くのが楽しみだった。いかにも田舎の雰囲気のする家に泊まり、自然あふれる場所で遊ぶ。きれいな川で川遊びをしたり五平餅を食べたり市民プールで遊んだりしたことが今でもいい思い出になっている。 しかし嶺くん崚くんは、ジジババと一緒に住んでいるためオイラのようにおじいちゃんおばあちゃんの田舎に帰ることはない。 だから毎年夏は、嶺くん崚くんを連れて家族でどこかへ出かけて子供たちの思い出に残る「旅」がしたい。ありきたりの「旅行」はしたくないのだ。

*               *                 *

<どこの山に登るか>


 これまでの家族4人で行なった山登りは以下の通りである。


行き先
2005年夏 北海道 イワオヌプリ 標高1,116m
2006年夏 北海道 ニセコアンヌプリ 標高1,308m


どちらも低山で片道2時間程度である。北海道での標高1300mの山の気候は本州の3000m級の山に匹敵するとは言われるが、夏ならばどちらも安全に気軽に登れる山だ。そして今年はどこに登るか。選択肢は本州しかない。ならばオイラにとっての選択肢は北アルプス以外には無かった。かってのツーリング仲間が山登りに転向して、仲間内の掲示板で北アルプスの美しい写真を投稿したり、ヤマケイJOYや山と渓谷という登山雑誌の北アルプスのきれいな写真を見ていつか絶対行くぞと思っていた。 しかし小学2年生も登れる山となるとかなり限られる。だがもう低山で練習はしたくない。行くなら北アルプスだ。そこで登山雑誌などに、ファミリーでも登れる北アルプス、というふれこみでよく書かれている「燕岳」(つばくろだけ)標高2,763mへ行くことに決めた。行って帰ってくるのに山頂の山小屋に泊まって2日間かかるという、オイラ自身にとっても初の1泊山小屋泊での山行となる。


決めたからには宿の予約である。

8/12(日) 長野県安曇野市の中房温泉旅館 = 燕岳登山口そばの温泉宿。この日は自宅からの移動のみ
8/13(月) 燕山荘という燕岳山頂付近にある山小屋 = 登りきって宿泊
8/14(火) 下山して、帰宅するか、どこかの宿に泊まるか未定、

8/13(月)は燕山荘そばの幕営地でテントを張ってテント泊にしようかと思ったが、幕営地はテント30張りまでという。お盆の時期だし登りきったらテントがいっぱいで張れないということもありえるし、片道1日かけて登るような山は初めてだし、山小屋泊にする。
てなことを考えて中房温泉と燕山荘に予約の電話をする。宿泊の約10日前だというのに意外にあっさりと取れた。北海道フェリー予約とはえらい違いでラッキー。山小屋は個室にした。片道1日かけて登るような山は初めてだし、疲れきってるのに山小屋はお盆の時期で大混雑(山小屋は基本的に宿泊者を全員受け入れる)でろくに眠れないということもありえ、それに嶺くん崚くんがうるさく周りに迷惑をかけるのを気にしなくてすむ。
中房温泉は別館と本館があり、別館が14800円、本館が9400円なのだがもちろん本館にする。宿泊代は以下の通りである。


■8/12(日)中房温泉 1泊2日2食 大人9,390円×2、子供7,290円×2

家族4人で合計33,360円 朝食は弁当


■8/13(月)燕山荘 1泊2日2食 個室 大人14,000円×2、子供8,000円×2

家族4人で合計44,000円

8/12、13で合計77,360円

8/14(火)を中房温泉にしたら33,360円プラスで、110,720円になる。


多少高いが夏休みの思い出作りのためにはしょうがないのである。思い出にはかえられない。これまでオイラは約50万を出してバイクを買い、その後色んなところに出かけたが、費用と時間は使ったがそれで今までに得られた楽しさ思い出は費用以上のものがあったし、たくさんの思い出を作れた。多少費用がかかっても思い出には変えられない。それが今までの遊び、ツーリングで学んだことだ。


<急いで登山用具を買い揃える>


 北海道行きを直前まで粘ってやめたので北アルプス行きを決めたのは8月に入ってからであった。しかしうちには登山用具がほとんどない(爆)。出発前の土日は少年野球などで登山用具の買い物には行けなかったので、まずは出発の4前にみかが仕事帰りにスーパー・スポーツ・ゼビオでみかと嶺くん崚くんの登山用具を買い揃える。3人のザック、登山靴、3人分のダブルストック、みかの登山用パンツ、シャツ、などである。そしてオイラは忙しくてなかなか買い物に行けず、出発の2日前にお茶の水のICI石井スポーツ本店でザック、登山靴、ダブルストック、登山用パンツ、シャツ、速乾下着、水筒などを買い揃える。直前でのいきなりの買い揃えで、こんなんでいいのかと思ったがもうやるしかない。 今回買った主な用具としては、まずは4人分のザック、そして今までの2回の山登りは嶺くん崚くんの靴は普段使っているズックであったが北アルプスではそれはまずいだろうと思い登山靴を買う。また今までの2回の山登りは片道1時間半〜2時間程度で登頂できる山だったが今回は標準タイムで片道5時間というおいら達にとっては長丁場の山登りのため、ダブルストックを使うこととした。鬼怒沼のときに思ったが、やはり二足のみの歩行よりもダブルストックのほうが足腰の負担が少ないからだ。

*               *                 *

<8月12日(日)自宅出発、中房温泉旅館へ>


 今年は連日の猛暑で気になっていた天気もよさそうだ。長野方面の天気も毎日チェックしていたが全く雨の気配なし。出発の朝も快晴で気分は上々。エスティマ号に荷物を積み込み、午前9時半頃に自宅を出る。道路情報に電話をすると外環自動車道は渋滞というので関越道の花園ICまで一般道を通っていくことにする。これが失敗で、渋滞はなかったのだがえらく時間がかかり、12時前にようやく花園ICに到着。上信越自動車道を経由して中央道の豊科ICへ。車中の嶺くん崚くんはTSUTAYAでレンタルしたドラゴンボールのDVDを見たりおやつやジュースを飲みながらのんびりドライブである。豊科ICを下車し、途中から細いくねくねの峠道を走り、午後3時半に到着。約6時間のドライブであった。


<中房温泉旅館は温泉のデパート>


 中房温泉の駐車場を降りるとまぶしく濃い緑と青い空が出迎えてくれた。すばらしい。受付をすませ部屋に入るとまるで田舎のおばあちゃんちのような懐かしいにおいがする。うーん、とてもオイラ好みの宿だ。部屋に荷物を置いたらあとは温泉三昧。この日は自宅から燕岳ふもとへの移動のみだからゆっくりできる。中房温泉は色んな温泉があり、あちこち入りまくった。宿の造りは建物は古めかしくて、庭にはきゅうりが水の入ったおけの中にひたしてあり味噌をつけて自由に食べられるし、庭の雰囲気もまるで田舎のおばあちゃんちのような雰囲気でとてもよかった。また泊まってみたい宿だ。夕食を食べてからまた温泉に入り、明日の燕岳登山にそなえて早く寝る。




日本アルプス概念図
←左写真 まずは日本アルプスと言われる、北アルプス、中央アルプス、南アルプスの位置が書かれた地図を。このように三本の山脈を北、中央、南アルプスと呼びます。 
北アルプス地図
←左写真 次は北アルプスの拡大地図を。北、中央、南の中で北アルプスが一番人気があるのではないでしょうか。槍ヶ岳、白馬岳、剣岳など、人気の山が目白押しです。 オイラたちが行った燕岳を地図の中にマーキングしました。
車の中の嶺くん崚くん
←左写真 午前9時半位に自宅を出発する。関越道の花園ICまで一般道で行くが渋滞はなかったものの3時間近くかかってしまう。 今回の目的は初の北アルプス、燕岳登山のため、バイクではなく車で移動。車の中でドラゴンボールのDVDを見る嶺くん崚くん。
中房温泉到着
←左写真 午後3時20分頃に、中房温泉旅館に到着。関越道、上信自動車道経由で自宅から約6時間かかった。 このように気持ちいいくらいのドピカーン晴天なり。明日の登山も期待できそうだ。
中房温泉
←左写真 中房温泉旅館の本館で受付をする。 中房温泉は本館と別館があり、この古いひなびた宿のほうが本館なのだ。
中房温泉
←左写真 部屋に入ると懐かしい田舎の部屋のにおいがした。まるで田舎のおばあちゃんの家に来たような感覚であった。
中房温泉
←左写真 4人では広い部屋。
中房温泉
←左写真 部屋に荷物を置いたらさっそく温泉につかりにいく。これは別館の大湯で混浴風呂だ。中央の石を境に男側と女側に一応別れている。
中房温泉
←左写真 大湯につかった後で。 これが本館の外観。日本秘湯を守る会の宿だ。
中房温泉
←左写真 これは本館の不老泉。オイラ好みの古めかしい渋い温泉だ。
中房温泉
←左写真 本館の庭にはこのような風景でまるで田舎の家の風景のようで、夏休みに田舎のおじいちゃんおばあちゃんの家に遊びにきたようであり、とても風情がありオイラ好みの宿である。
中房温泉
←左写真 このようにきゅうりが水にひたしてあり、みそをつけて自由に食べられるようになっているのが田舎の家のようでとても風情がある。飲料水用の水も出ている。
中房温泉
←左写真 中房温泉旅館は広い。あちこち探索する。
中房温泉
←左写真 足湯につかる。
中房温泉
←左写真 これは月見の湯。
中房温泉
←左写真 これは温泉プールで泳ぐ嶺くん崚くん。このプール、この風景と、まさに田舎のおばちゃんの家に遊びに来たようである。
中房温泉
←左写真 温泉プールで泳ぎ終わり着替える嶺くん崚くん。
中房温泉
←左写真 今度は根っこの湯につかる嶺くん崚くん。
中房温泉
←左写真 根っこの湯あたりから温泉プールをながめる。中房温泉旅館はこのように山間深くにある一軒宿である。まさに田舎のおばあちゃんちに遊びにきたような感覚である。
中房温泉
←左写真 今度は地熱であったまる嶺くん崚くん。玉川温泉のように地熱であったまるのがあるし、色んな温泉があるし、まさに中房温泉宿は温泉のデパートである。
中房温泉
←左写真 色んな温泉につかり、部屋に戻る。写真は中房温泉の別館である。この奥にオイラたちが泊まってる本館がある。本館のほうが大人1泊9400円で、別館は14000円である。
中房温泉
←左写真 みんなで夕食。嶺くん崚くんがおもしろい顔をしている。
中房温泉
←左写真 中房温泉の夕食。
中房温泉
←左写真 信州牛だかのローストビーフ。別料金で頼める。うまい!
中房温泉
←左写真 食事の後は温泉に行く。貸切のお風呂。
中房温泉
←左写真 星のカービーを読む嶺くん崚くん。今日は温泉三昧でおもしろかったね。おやすみなさい。

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