■東北 秋田

＜秋田　林道＞

■田沢スーパー林道　（田沢スーパー林道残酷物語）

秋田県の田沢スーパー林道。ここではひどい目にあった。初めは道もけっこう整備されていて走りやすく、「なんだ、ここも以前ほど荒れてなく整備されちゃってるのか。いずれ舗装になるかもしれないなー」とか思っていた。遠くに田沢湖スキー場が見えて景色もいい。ここは今日が初めてだが噂では田沢スーパー林道はかなりがれてて危険、と聞いていた。25キロくらい走った頃だろうか。林道にしては大きく立派な橋があり、そこを過ぎるとずっと下りになるらしいのだが、道の状態は一変した。道ががれていて、雑草が生えている。林道は人通りが少ないと道の上に草が生え始めるのだ。雨水による大きな深い溝もあり、路肩もけっこうくずれていてバイク一台通るのがやっとのところもあった。それでもなんとか走っていると、「走ってるとセロー（実はみかのバイク）のエンジンが止まる」。オーバーヒートかと思いエンジンを止めてしばらく休んでから出発したのだがやはり止まる。あれぇーおかしいな〜。だんだん冷や汗が出てくる。無理して走ってたらしまいには完全に動かなくなってしまった。エンジンオイルの残量を窓から見ると全く入ってないようだ。どうやらなんらかの原因でエンジンオイルがなくなりエンジンが焼き付いてしまったらしい。うわぁーーやべーよーどーしよー。でもあとは下るだけだからエンジンがかからなくても惰性で降りれるし、舗装路に出ればバイク屋も呼べるだろうし何とかなるだろう。そう思いながら下っていくとガーン！！目の前はがけくずれで道が埋まっていた。どこをどうやってもがけくずれの向こう側には抜けられそうもない。ということは・・今下ってきた道を登って戻るしかない・・・目の前が真っ暗になったことは言うまでもありません。「おいらのKLXに乗って林道の入り口の民家に行ってバイク屋を呼んでそれからロープを探して戻って。おいらはその間セローを押している」　大きな橋から先はかなり荒れてて道幅も狭く車も入ってこれないようなとこなので車が来れる所までバイクを持っていかなければならない。バイクを押していたがこれがすげーきつかった。なんせ砂利道の上り坂。少し押すとすぐ疲れる。でもうかつなところでは休めない。切り立った崖沿いなんかで休んでたらいつ落石があるかわからないのでそういうところは死に物狂いで押して突破した。その日は太陽がガンガン照り付けていてどんどん体力を消耗する。よって休む場所は日陰でかつ、崖沿いでないところ。しかしあるコーナーを曲がって見えたのは切り立った崖が延々と続きしかも太陽がガンガン照り付けている道だった。うわー！終わった・・・それでもなんとか押していると疲れも限界に達して、もうだめだーと寝込んでしまった。結局2時間半くらいで2km押してダウン。眠っているとバイクの音が・・・バイク屋は林道入り口の民家の人が呼んでくれた。頑丈なロープも拾ってきた。そこからはKLXとセローをロープでつなぎおいらが牽引した。でもがれてる林道での牽引って難しいですね。何度もフラフラして1回バイクごと倒れたままほんの少しだけ引きずってしまいました。そうこうしながらやっと車が来れるところになんとか着いたらバイク屋がすでにトランポ（車）で待っていました。ホッ(。しかしバイクは動かないので2ヵ月後の10月にセローを引き取りがてら孫六温泉宿に泊まったが結局そのときも八幡平アスピーテライン途中で止まってしまったので再度引き取ってもらい、翌月の11月に再々度セローを引き取りに石塚旅館に泊まり、この年だけで3回も北東北に来ることになった。（結局キャブがつまってたのが原因でエンジンが焼きついていた） 　バイク屋のおじさんが言うには、この林道は2つの村が管理していて、おいらたちが入った田沢湖側の方からあの大きな橋までを管理している村は山菜取りの人のためにこの林道にかなりお金をかけてて道も整備してるが、橋から反対側にかけての管轄の村は全く整備しないため荒れ放題なんだとのこと。またそのおじさんは30年くらい住んでいて田沢スーパー林道を通り抜けられたのは1回しかなく、また何度も動けなくなった車を助けに行ったとのこと。つい最近までは動けなくなって捨てられた車が何台もあったが最近撤去したという。地元のおじさんと話して田沢林道通になってしまったがそれにしても聞きしに勝るハードな林道であった。
→右写真　2000年8月　田沢スーパー林道からの景色。写真右奥は田沢湖スキー場。
	←左写真　2000年8月　田沢林道。この頃はまだ良かった。この後に地獄がぽっかりと口をあけて待っていようとは知る由も無かった。
→右写真　2000年8月　オーバーヒートかと思い休憩してる所
	←左写真　（アウトライダー`03年春VOL.1号 スナップ大賞部門掲載作品）2000年8月　目の前が真っ暗になった田沢林道がけくずれ。遠くから見たときは林道沿いのがけであり道は続いているかと思ったのだ。
→右写真　2000年8月 がけくずれ 2。このときの田沢林道は本当に空が青くて緑が濃かった。
	←左写真　2000年8月バイク屋。車はここまでしかこれない。やっとの思いでここまでたどりつく。ちなみに右はおいらで着ているのは自慢のモハメドアリＴシャツ。
→右写真　2000年8月 乳頭キャンプ場にて。手に持ってるのはセローを救ったロープ。
	←左写真　2000年8月　盛岡駅で出会った女性。30分くらい3人で立ち話をする。バイクがこわれなければ出会わなかった？
→右写真　2000年10月　直してもらったバイクを取りに来た時の写真。

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